ディノヒバU
□このままでいいと伝えたい
2ページ/6ページ
《プレゼントとかいいから》
そうメールで言われて色々と考えたけど、やっぱり僕は彼に何かプレゼントしたかった。
付き合って初めての彼の誕生日。
おめでとうの言葉と気持ちだけじゃなんとなく寂しすぎる。
プレゼントっていうのはあくまでも気持ちだと思う。
彼の誕生日を祝いたいっていう気持ちを形に変えただけのものだ。
気持ちと言葉じゃ足りないから。
もっといっぱいに伝えたいから、プレゼントを渡すのに…。
それを無しにするなんて、僕はどうしても納得がいかなかった。
2月3日。彼の誕生日前日。
学校の帰り、僕は何か見つかればと近くの繁華街に向かった。
服とかマフラーが妥当?
どれにしても、彼の欲しいものとか好みが分からない。
いつも彼が身に付けてるものだって、僕の好みとはどこか違う。
それに、彼なら服だって何だって高級なのとかすごいのたくさん持ってそうだし。
そう思うと、何も買えない。
ピアスとか香水?
いやいやいや恥ずかしい。
絶対に絶対に嫌だ。
そんなものあげて、これから先に彼がそれを付ける度に恥ずかしすぎて死んでしまう。
無理だ、見つからない。
どうしよう。
……どうしよう。