小さな恋物語

□いつつ
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「飼い主…見つからねーな…」



「うん…」



もう何時間経ったんだろう。
真夏の昼の2時。
朝公園に居るときはまだ涼しかったのに、もう大分太陽も明るく照ってきて、ずっと痛いくらい眩しい炎天下の下で待ち続けたせいか、頭がくらくらしてきた。
少しだけ、吐き気すら覚える。



「ったく、暑いな…」



「はぁ…っ」



ただ、全身が暑い。
視界が歪むくらいの目眩がして、立つどころか座ってもいられなくなる。
全身の力が抜けるような感覚に襲われたかと思うと、僕はその場に倒れ込んでいた。



『だっ、大丈夫か?』



懸命に僕を起こす彼の姿が閉じた瞼の裏に映る。
そのまま何も聞こえなくなったかと思うと、周り1面が真っ白になった。
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