瓜獄

□dolcemente
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「隼人っ!」



お昼の時間になり、いつものように俺はお弁当を持って隼人のもとへと飛び付くように向かった。
隼人の席は一番前で、俺の席はそこから離れた窓側の一番後ろ。
休み時間がはじまるチャイムが鳴ってはいつもいつもこんな調子で迷惑ばかりかけていている。



そんな様子がまるで飼い主によくなついてる猫や犬みたいだとか言ってくるやつもいて、
当の隼人本人ですら俺のことをただのペット扱いしたりするし…困ったもんじゃない。



俺がどれだけ隼人のこと好きか、知りもしないで…
ちょっとくらい意識してくれたっていいのによ…。



「…瓜?」



その声にはっと気が付くと、目の前には心配そうに自分を見上げる隼人の姿があった。



「調子でも悪いのか?」



俺の顔を覗き込みながら、隼人はぺたりと額に手を当ててくる。



「何でもないっ」



触れている部分があったかくて、みるみるうちに顔が赤く熱を持っていってしまった。
このままじゃ隼人に聞こえてしまうくらいに、心臓がばくばくと速い鼓動を刻んでいく。



「あ…の、俺用事思い出した、からもう行かねーと…」



「え?んー…わかった」



本当にドキドキが聞こえてしまいそうで、俺は突発的な嘘を付いてそのまま教室を出てしまった。
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