瓜獄

□猫ってほら、肉食だから
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シーツが擦れる音と、不規則に荒い息の音、卑猥な水音が部屋中に響き渡る。
夜風が窓を叩いて2人の行為を戒めるようにがたがたと鳴った。



「…あ、あぅ…んんっ」



何度目かも分からない絶頂を迎えた隼人が瓜の上でぐったりと体制を崩した。
まだ体内に入ったままの瓜自身が最奥を突き上げるのに、隼人には喘ぐ声さえ残っていない。



「はやっ、…と…」



数回腰を突き上げた後、瓜も隼人の中に欲を吐き出した。
瓜がずるりと自身を引き抜くと、ぽたぽたと腹の上に白濁の雫が落ちる。



「ごめん…中で出しちまった…」



瓜がしまったって顔で隼人を見上げた。
隼人の体を気遣って中出ししないようにしていたのだが、ついついあともう少しと思ってるうちに我慢できず出してしまったのだ。



自分から言い出したことだったのに、主人の中を汚してしまったことに酷い罪悪感を憶える瓜。



「後でちゃんと出すの手伝うから、その…ごめん」



瓜の謝罪を虚ろに耳では聞いていたが、余韻に浸っていた隼人は返事することができなかった。
何時間も前からずっと瓜を受け入れ続けていたせいで、快感による疲労が脳を支配していたのだった。



目はただ瓜を見つめるだけで、口元からだらしなく垂れる唾液は、顎を伝い喉元に流れている。
その淫靡な表情を見て、もう何度も達した瓜の中心が再び熱を持ち始めるのにそう時間はかからなかった。



「隼人、また抱いてもいい?」



その言葉を聞いて、ぷいっと隼人は顔を反らした。
反らした先にあった時計に目をやると、時計の針は夜中の2時を指している。
つまり日付が変わる大分前から重なってる2人の体力は限界を越え始めていた。
特に隼人の方はよほど疲れたみたいで。



「瓜…やりすぎだろ…っ」



理性を失って自分に腰を打ち付け続ける瓜を、隼人は本物の肉食動物のように感じていた。



「しかたねーんだって……猫ってほら、肉食だから」



「はぁ…ったく、しかたねーな」



(俺は肉食動物に食べられる草食動物かよ……っ)



目に快感の涙を含みため息を付く隼人に、瓜はまたもや理性のたがが外れる。





「じゃあ、いただきます……」










end

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