ディノヒバ

□Amabile
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恭弥、と耳元で囁くと、白く小さな体が薄く震えた。
まだ絶頂の余韻が冷めてないのかひくひくと痙攣する恭弥が愛しくて、優しく頭を撫でてやる。



「恭弥、大丈夫か?」



「……うん」



掠れる弱々しい声を聞きながら恭弥の体を起こし、ずるりと中から自身を抜く。



「眠いのか?」



「ん……眠い…」



「風呂は?」



「入るけど……」



ぺたん、と俺の胸に頬をくっつけてくる恭弥。
最近気づいたんだが、これは恭弥の甘えてる証拠らしい。
やっと俺に慣れてきたか…。
どこか安心したように息を吐くと、すっと恭弥の背中に腕をやる。



「風呂まで運んでやっから」



「え…っ」



「恭弥、力入んねぇーだろ」



「もうちょっとだけ…このままがいい…」



恭弥の肌は子供みたいにふわふわしていて、でもその甘い声は子供とは思えないほどの色気をまとっていて。



「恭弥……」



「んっ」



手を伸ばして布団を引っ張り恭弥の上にかける。



「ディーノ…お風呂は?」



「わりぃ…もう1回だけ」



「ばかじゃないの?」



「だからわりぃって…」



するりと指を足の間に滑り込ませると、そこは未だにしっとりと潤んでいた。



「っ…だめ…」



達ったばかりでいつもより一層敏感になってるのか、恭弥は涙汲みながら俺を見つめてくる。



さっきまでの情事で緩んだ後孔はすんなりと指をくわえこんでいった。



声を出さないように体を捻って顔を背け、胸を大きく上下させる恭弥を見てると俺まで頬が赤く染まっていく。



2本の指でくちゅくちゅと中を押し広げながら、胸に唇を寄せ、ピンク色に尖る突起を啄んだ。



「っあ、ん」



次第に芯をもっていく突起を楽しみながら、舌で器用に転がして弄ぶ。
体を強張らせて、シーツをぎゅっと掴み、首を横に振る恭弥。



「気持ちいか?」



「もう…イっちゃうよ…」



恭弥は我慢の限界とばかりに泣き言を漏らす。
そろそろか、と恭弥の熱くふやけた内壁から、ようやく指を引き抜いた。



「はぁ…ふぅ」



小さな体に圧しかかり、脚を優しく開かせる。
すでに大きく膨れた俺自身を恭弥の蕾に宛がい、ぐっと腰を進めた。



「あぁ……っ」



恭弥は律動に任せて小さく喘いでいく。
その姿が更に俺の理性を飛ばして。
突起を弄り弾きながら、ピストンの動きを徐々に早める。



「でぃ、の…っ…や…!」



「くっ、」



ぽたっと恭弥の体に俺の汗が流れた。
そして絶え間なく揺れるベッドのスプリングが動きをより激しくさせて。



「あ…っ!だめ…ぇ」



「う…っ」



2人が欲望を吐き出したのはほぼ同時だった。
恭弥のとろんとした視線を目の前に見つめながら、にっと微笑んでやる。



「恭弥、」



呼び掛けると恭弥の腕は俺の背中からするりと離れて、シーツの上にぱたんと倒れた。



僅かに上体を起こし、その白くて細い指先を手に取ると、これから先、眩しく輝くであろう左手の薬指にそっとキスをした。





Amabile、愛らしい俺の恋人。









end



もしかしたら『white bride』に繋がるかもしれない。

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