ディノヒバU

□Perversa
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始まりは群れるあの草食動物たちの軽い一言だった。



「雲雀ってさ、跳ね馬のこと好きだよな」



「ちょ、獄寺くん!やめなって!」



「何ばかなこと言ってるの?」



そう軽く流してはみたものの、僕の意思を無視して赤くなっていく顔が疎ましい。
そこの彼が言ってる『好き』が、例え彼が沢田綱吉に向ける忠誠や憧れや信頼のような種類の好意だと分かっていても
認めたくなくて、赤い顔をふいっと反らした。



「あんな人のこと…僕が好きなわけないでしょ……」



「でもお前、あいつと話してるときすげー楽しそうだぜ?それに跳ね馬だって雲雀のこと可愛がって特別扱いしてるし……」



「そんなの…あの人の気紛れだよ!とにかく僕は……」



あっと草食動物たちの顔が引きつるのに、必死な僕は気付けなかったみたいで。





「僕はディーノなんて大っ嫌いだっ!」





勢いよく言い放った瞬間、背後から影に覆われていた。
目の前の草食動物の表情にようやく気付き、まさかという思いで振り返る。



案の定、そこにはたった今僕が大嫌い宣言をしたその張本人が少し驚いたように立っていた。
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