ディノヒバU

□融解
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日曜日の朝。せっかくディーノの仕事も恭弥の学校もない休日。



久々にデートでも…とか
朝から夜までにゃんにゃん…とか
いろんな妄想を溢れさせて、にやにやと寝起きながらもベッドの上で笑むディーノをよそに恭弥はパジャマを脱いで、私服へと着替え終わろうとしていた。



ディーノは体を起こすと側にある窓のカーテンを開け、太陽に目を細めながら空を見上げる。
外は眩しく程好い快晴で、ディーノはやっぱり今日が絶好のデート日和だと踏んだ。



「恭弥っ、デートしようぜ!」



「………」



「んーっと…遊園地とかっ」



「………」



群れてる。眠い。めんどくさい。
いかにもだるそうに片眉を曲げて小首を傾げる態度からは、そんな苛立ちが見え隠れしている。
そんな恭弥の唇が開き、ディーノの喉が緊張の吐息を呑み込んだ。





「……別にいいけど」



断られると覚悟していただけに「やったぜ!!」と両腕を振り上げながら無邪気に喜ぶディーノを、口許に苦笑を浮かべて恭弥が見つめる。



「悲しむあなたより、そうやって笑ってるあなたの方が好きだからね」



微かにぼそっと呟かれたその小さな言葉は、恭弥の音量のせいか、彼が浮かれてしまっているせいか、向けられた彼自身には伝わらなかったみたいだ。





 
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