小ねた+他かぷ

□i'm lovin'it
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自動ドアをくぐってディーノが現れた瞬間。
先ほどまで真面目に接客をしていたはずの恭弥の顔は重々しく不快そうに歪んだ。



「げ……」



ぼそっと迷惑そうに呟いた恭弥の小さな声を逃すまいと耳にしたディーノは恭弥のもとまで突き進んで行くと、メニューの敷かれたカウンターへと肘をつく。



「いったい何、また僕をからかいにきたの?」



恭弥がここ、某ハンバーガーチェーン店でバイトしていると知ったときはディーノもさぞかし驚いたことだろう。
それに初めてディーノがその様子を見に行ったときの刺激は尋常ではない。
可愛らしいユニフォームで必死に接客する姿は、まるで普段の恭弥とは別人のように思えたのだ。



「恭弥ぁ…一応俺客だぜ?もっと優しく対応しろよなっ」



「……ご注文をどうぞ」



「んー…スマイルくださいっ」



「黙れ死ね咬み殺す」



吐き捨てられた暴言に1歩後退りしたディーノだが、それくらいで帰るほど柔では無い。
客という立場を思う存分使ってやろうと企んでいたのだ。
にやりと見せたディーノの笑みは、まるで近くのポスターに載っている妖しいピエロと似ている。



「早く帰って、迷惑」



「待てって、最後!」



これを最後帰ってくれるならと恭弥が耳を傾けてしまったのが失態だろうか。



「恭弥お持ち帰りでっ!」



「……帰ったら、あなたのことマックポークにしてあげるよ……」










end

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