てきすと

□とりあえず
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「なーかーむーらーさーんー!!」
「なんだよ、うるさい。」
「お願いします!彼氏になってください!!」
「…はぁ?!」



中村さんはいつもの感じですっとんきょうな声を出した。
(うん、本人に言ったら怒られるだろな。)



「頭大丈夫か?」
「大丈夫ですよ!とりあえず、彼氏になってください!」
「とりあえずの意味がわからん。」
「いや、あのですね。親が良い結婚相手を見つけたとかなんとかで、お見合いするんです。」



私だってお見合いなんかしたくない。かたちだけだとはお父さんは言っていたけれど、本当はどうかは怪しいところだ。



「で?」
「で、嫌すぎて彼氏がいるなんて言ったとか言ってないとか。」
「…。」



無言になった中村さんは間をおいてため息をついた。
そのあと、心底不機嫌な顔になる。



「で、偽造彼氏になれと?」
「よければお願いします。」
「…まぁ、いいけど。」



それからでもいいか…なんて呟く中村さんはまたため息をついた。



「あ、なんならホントの彼氏にでもなってくれますか?」





(お、お前、バッカじゃねぇの!!!)(あ、どもった。)(うっさい!!)

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