【 Story2 】
□SCENE2
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そうして着いて行った先は、基地内にあるシティホテル。
「入る前に確認したいんですが・・・」
緋珠は中に入ろうとしているカーレスをそう呼び止める。
シティホテルなんて名前で呼んでいるが、中身はラブホテルだ。
「他の場所だと邪魔が入るから、ここが一番何だよ。」
緋珠が何を聞きたいのか承知だと言わんばかりにそう答えると、カーレスは中へと入って行った。
それを見て一瞬躊躇ったが、緋珠も続けて入ると、通された部屋はスィートルーム。
それも司令部専用のシティホテル、最上階のフロアに一室しかない最高級スィート。
「せっかく祝うんだから、豪華な方がいいだろ?座ったら?」
そう言いながらカーレスは冷蔵庫からシャンパンを取り出す。
「このシャンパン。特別に用意させたものだから。」
確かにラベルに印刷された銘柄は最高級の代物だ。
カーレスは慣れた手つきで栓を抜くと、用意したシャンパングラスに注ぐ。
「乾杯。」
静かにシャンパングラスを合わせると、ガラス特有の心地良い音が長く響く。
シャンパングラスも一級品だ。
雑味の無い上品な味はとても飲みやすい。
それでいながら高いアルコール度数。
安物なら度数を下げて飲みやすくするが、さすがは最高級だ。
高い度数を保ちながらも、決してそれを感じさせなかった。
気を付けないと前回の二の舞になる。
緋珠は、思い出し無くない過去を振り返りそう思った。
「気に入ってくれたか?」
「はい。雑味の無い上品な味で、素晴らしいお酒だと思います。」
「なら残りはやるよ。俺はもっと強い酒が好みなんだ。」
そう言うとカーレスはグラスの残りを一気に飲み干し、これまた高級品のウィスキーを冷蔵庫から取り出すと、ワンショットグラスに水で割らずに注ぐ。
強い酒が好み。と言うだけあって、通常なら水割りで飲む酒をストレートで飲む。
それから、酔いが回らないうちにシャワーを浴びたらいい。と言うカーレスの提案に緋珠は素直に応じた。
最初に注がれたシャンパンが空くと、先にシャワーを浴びた。
その後にカーレスがシャワーを浴びる。
シャワーついでに脱いだカーレスの礼服と緋珠の制服は、皺にならないようハンガーにかけたため、二人共、備え付けのタオル地のバスローブで寛いだ格好となり、酒を酌み交わす。