Novel

□風邪
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伶護が風邪をひいた。

それは12月のある朝――



「伶護、見て!すごい雪だよ♪」

「ん?ああ、そうだな」

伶護は微笑んでいた。


今思えば顔が少し赤かったあのときから伶護は体調を崩していたのかもしれない。


僕達は外に出た。

「うおっ、冷たっ」

「当たった〜♪伶護油断しすぎー」

僕は伶護に雪玉を投げつけた。

「わっ!!;ちょ、やめっ……あ゛、Σ服ん中入った!!;」

「あははっ、伶護大丈夫?♪」



――――

「あのとき僕があんなにはしゃがなきゃこんなことには……」

伶護をベッドに寝かせてきて、今僕は伶護にお粥を作るためにキッチンに立っている。
でもどうしよう、お粥なんて作ったことない…
……作り方見ながらなら大丈夫だよね…!

「えーっと?ネギをみじん切りにして……痛っ!……指切っちゃった、絆創膏は…と…」

こんなんで大丈夫なんだろうか自分………;


〜数分後〜

「よし…なんとか完成、見た目は悪くない…かな」

僕は出来上がったそれをお盆にのせて、水と薬も忘れずに伶護が寝ている寝室へと向かう。


コンコン、ガチャ

「伶護ー…、入るよ」

見ると伶護は静かな寝息をたてて眠っていた。

さっき僕が絞ったタオルもちゃんと額に乗っている。

『タイミング悪かったかなぁ…』

僕がテーブルにお盆を置くと


「ん……」

「あ、伶護ごめんね。起こしちゃった?」

「………いや、大丈夫…それよりなんかいい匂いする…」

「うん、お粥作ったんだ。食べる?」

「ああ」

伶護が笑顔になった。僕はそれがとても嬉しくて顔が熱くなった。


「冷ますからちょっと待っててね」

小さいお椀にお粥を少しとり息を吹きかけて冷ます。
その僕を嬉しそうに見る伶護、目があったから思わず顔を背けた。

「その指、どうしたんだ?」

「あ、ち、ちょっと紙で切っちゃったんだ;」

なんて言ってみるけど多分伶護は嘘だって分かってるんだろうな…

「はい、口開けてー」

「あーん…」

伶護に食べさせてあげるなんて滅多にない機会だ。


「ん…うまい」

「本当?よかった♪」

実を言うと味にはあまり自信がなかったから、伶護に喜んでもらえて嬉しかった。

「こんな風に看病してもらえるなら何回でも風邪ひいちゃおうかな?♪」

「Σえ!!?;」

「冗談♪」

「もぅ…本当にやだよ?伶護が風邪ひいて苦しむのは…」

「分かった…」

その伶護の笑顔が心地よかった




今回のことは反省してる………

早く良くなってずっと元気でいて欲しいな…

伶護は僕の一番大切な人だから

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