Novel
□バレンタインデー
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最近、雪がアルバイトを始めたらしい。
別に俺にとやかく言う筋合いはない。
ただ――――
――ただ、バイトと俺どっちが大切なんだよ!
最近俺達は登下校さえもあまり一緒にできていない。
それにしても何で雪は急にバイトなんか始めたんだろうか。
前は俺が嫌と言っても歩いているとくっついてきたのに。
先月半ば、そう、1月から。
なんこかの短期のバイトらしいが詳しくは聞いていない。
ただ、とにかくバイトを掛け持ちしていることは確かだ。
何のために?急にお金が必要になったのか?
そして何日か過ぎた
今日は2/14だ
俺は雪の家に呼ばれた。
よくあることだ。
俺は雪の家に向かった。
インターホンを押すと、雪が笑顔で出迎えてくれた。
少し話してから部屋の中に入るとなにやら大きめの箱があった。
雪がその箱を勢いよく開ける。
中を見るとチョコレートケーキが入っていた。
今日、俺を家に呼んだのはこのプレゼントを渡すためだったらしい。
いろいろ迷った結果チョコレートケーキにしたそうだ。
俺、甘いの苦手だって言っただろ?
…でも、ありがとう。
今の俺にとってのプレゼントは雪と一緒にいられることだ。
でも、雪の頑張ってくれるところも…大好きだよ。
なんてな、こんな恥ずかしいセリフ言えるわけ無いだろ?
だから黙ってる。
でも、雪なら分かってくれるよな…。
俺は微笑んだ。