Novel

□ファーストラヴァーズ
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「ん………」


それはあるクリスマスの朝。


「ぁあ〜…よく寝た……」


起きると目の前には。


「おはよ、伶次♪可愛い寝顔ごちそうさま♪俺へのクリスマスプレゼント?(笑)」


伶護が(俺の布団の中に)いた。


「うわぁぁっ!!!??;」


その瞬間、俺は思い出した。





四年前(伶次中二、伶護中三)
護×伶

「Fast×Loveres」





―――昨夜12月24日クリスマスイヴ。


「はーっピーぃくりすまぁ〜す、伶次ィ〜〜ラライホホホ」

「メリークリスマスだろ。二人だけなのに兄貴テンション高すぎ」

「仕方ねーだろ〜。俺は広く浅くな友達関係がモットーだから皆俺よりももっと大事な用があんの!」

「意外と寂しい奴なのな、伶護って」

「寂しい言うな!」


俺達は今年も二人きりのクリスマスを過ごしている。
両親が何をしているかなんてのはよく知らないが、兄貴と二人きりなのはもうとっくに慣れたし、苦にもならない。
って……あれ?酒臭……


「伶次ィ〜〜~」

抱きっ

「…飲酒……法律違反…抱きつくな……酔うな…ヤ」

「伶次可愛い〜ネ」

ゴソッ

…ん?ゴソッ?
気付くと伶護の手が俺の服の中に。
伶護の少し温かい手が、俺の腹部に直に触れる。


「……っどこに手を入れてんだお前は!!!!///」


さすがに俺も少し赤くなって伶護の手をはらった。



ここまでで、終わりならよかった。




「伶次!ケーキ!」


伶護が何処からかケーキを持ってきた。


「それを食えってか、俺甘いもの苦手だって何回言ったら………ぁ!???;」


伶護が俺の口にケーキを押し込む。


モグモグ

ゴクン


伶護はなぜかにっこり。
まだ酔っているようだ。


「…あのなぁ……;;」

「うまいか!?♪」


感動するほど聞いてねぇよ、こいつ


「あ、伶次。クリーム」


伶護は俺の口のはしを指差して言う。


「お前が無理やり食わせたせいだろうH」

「俺がとってやるよ」



…この次の伶護の行動分かるか?


3……2……1……はい終了!


答えは……


伶護が俺の口のはしのクリームを舐めとった。


「!!!!!??」


つまりキスみたいなもんだった。


「まだ酔ってんのかよ!!!!!??;」


伶護はニヤリと笑みを浮かべた。


「……俺は本気だ…」

「ん!!!!」


俺が油断しているうちに、伶護の舌が俺の口内に侵入してきた。
俺はギュッ、と目を閉じる。
だが、あまりにも咄嗟なことに俺は力が入らず、思わず耳を塞ぎたくなるような音とともに易々と伶護に溶かされそうになる。


「…ぅぁ……ぁはなせっ!!!!」


俺は力を振り絞って伶護をおもいっきり押した。
驚きと羞恥で、俺の心臓は張り裂けそうだった。
顔全体が熱くなり、目に涙が浮かんでしまう。
力が抜けすぎて、伶護の行動が信じられなくて、緊張のせいか逆に震えさえしてしまう。


「大丈夫か?伶次…」


そう言いつつも、伶護はゆっくりと俺を押し倒す。


「ぃ…ゃ………」


震えてうまく話すことができない。


「……ゃ…だ……」


涙が溢れてしまう。


「…泣くなよ」


伶護が額をコツン…、と合わせる。
なぜかこのときの伶護はとても優しく感じた。
―――――――





「――…ぅ……んっ…!」


伶護にシャツをはだけられ、キスを落とされる。
初めてだった俺には、気持ちの悪いものでしかなかった。


「…ぁ…っ……」


胸の尖りを掠められる。
不確かな感触。


「…そこ……や…だぁっ……」


伶護がいきなり場所を変えればくすぐったくて身をよじらせるが、伶護はそれを楽しそうに見ている。


「ふぅ……っ…く」


そう思うと、再度強く攻められる。まったく、我ながら意地悪な兄だ。
俺が肩で荒く息をしていると、伶護が一度離れた。


「…っ……?」


何故離れる?
一瞬疑問が浮かんだ。


「俺はこの先にチャレンジしてみよーと思う。いいよな?ここまできたんだし」

「っ…俺に同意…を、求めるなっ!…大体俺達っ…兄弟…だろ!」


そうだ俺達は兄弟なんだ。まさか兄貴が俺にこんなことをするなんて夢にも思っていなかった。だいたい俺は、この頃はそういう趣味はなかったんだ。
もしかしたら雪を好きになったのはこいつのせいだったかも知れない………


「問答無用♪」


伶護が俺のベルトを外しだした。

いよいよ本格的にヤバイ。

もちろん俺は抵抗した。


「やめろっっ!!!;;;」


だが俺がジタバタしている間にも、事態はサクサクと進んでいる。そしていよいよ俺の下着に突にゅ………


「やっ…ちょっ、待っ……!!???」


何があったか?

フフ………(泣)
聞いてくれるか……?




……アイツいきなり…俺のを掴みやがった……


「み、見るなっ!!!!!////;;;;」


羞恥で、再度目に涙が浮かぶ。


「何で?キレーじゃん」


ほざきやがれバカ兄貴……ヤヤヤ
過去にさかのぼって殴りに行きてぇ……ヤヤヤ


「ゃ…だ…やめろよ…!」


泣きながらも、俺は言葉で抵抗した。本能で何か悟ったんだろうな。


「……やめねーよ…♪」


伶護はパクッ、と俺の……俺…の………………!!!!!!(悶絶


「ぁぁっ!??」


俺はビクッ、と身体を反応させた。


「や…だ…ょ……ゃ…離っ……あ!ぁ…あぁあぁぁっ!!!」

「クスッ…早いな………」


伶護はペロッと唇を舐め上げ、俺を見ていた。

そのあとのことは…よく覚えていない。





――――――――
そして今―。


「――何が寝顔ごちそうさまだバカッ!!!!!////今すぐ死ね!!!!!!」

「あ〜、怖い怖い♪じゃ、朝御飯つくって待ってるらな♪」



今までで一番、最低で最悪な目覚めだった…………………気がする……


(END)

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