クエスト・ゼロ

□クエスト・ゼロ
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 序章 勇者の目覚め




ここは平和なポトスの村。

あまりに長い間平和な時代が続いたため、村人はみんなのんびり屋さん。

畑を耕し、牛を飼って、争いごとなんぞとは100パー無縁なスローライフを送っていました。

…しかし、そんなのんびりぽよよんな村人の中で、一人異彩を放つ少年がいました。

少年の名はライ。

彼はいつも口癖のように言っていました。

「おれは伝説の勇者だ!いつか魔王を倒してやるぜ!」

と。

なんとも頭の悪い発言だったけれど、お人好し…もとい、心優しい村人たちは、そんなライを馬鹿にしたりはせずに、むしろ可愛がりました。

…まあ、馬鹿な子ほど可愛いと言いますしね。

さて。

このライという少年、どういう訳か、自分を伝説の勇者だと信じて疑っていませんでした。

とんだ妄想野郎です。

ですが、幻想世界の住人か?とツッコミを入れる厳しい村人もいなかったため、ライは自分が伝説の勇者だと信じたまま16歳まで育ってしまいました。

そして、このアイタタタな少年は、魔王を倒すために旅立つ事を決意します。




魔王などというものは、自分の脳内にしか存在しないということに気付きもしないまま…。
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