Soul Eyes
□あったかい。
2ページ/6ページ
「くらえっ、悟天〜!!」
「うわぁ〜っ!!」
年が明けて早々…。
トランクスは、C.Cに遊びに来た悟天と、久々に重力室で大暴れしていた。
羽目を外し過ぎたトランクスのエネルギー波で、吹っ飛ぶ悟天の身体…。
それを、今し方中に入って来た人物が、ガシッと支えた…。
「ーー…えっ…パパ…?」
宙に浮いたまま…唖然とそれを見つめるトランクス…。
「…あ!おじさぁん!ありがと。」
「フン!二人共、体が怠け過ぎだ!今日は特別に…俺が夜までたっぷりと修行をつけてやろう…。」
そうニヤリと笑うと、ベジータは上着を脱ぎ捨て、タンクトップ姿になった。
「いいっ〜〜!?」
「ええ〜!!酷いよ、パパ!一緒にWiiで遊ぶ約束したじゃないか〜!」
焦る悟天を後目に、プッと頬を膨らませたトランクスが叫ぶ。
「甘ったれるな、トランクス。
お前もこの俺の血を引いてるなら、少しは強くなる事に執着したらどうなんだ?」
「……な、何だよ…それ…」
そう呟きながら、トランクスは、トンっと地に降り立った。
「…さっさとかかって来い。」
腕を組みながら、トランクスと悟天の打つ手を待つベジータ。
そんなベジータに、トランクスは俯きながら口を開いた。
「…パパはいつだってそうだ。」
「…?」
「…僕は!!別に強くなる為だけに生まれてきたんじゃないよ!パパは僕に…強くなる事しか望んでないんでしょ!?」
うっすらと…
トランクスは涙を浮かべた。
「…何、訳の分からん事をほざいてやがる!強さこそが誇り!お前にもそう教えてきた筈だ。」
「…っ…。」
トランクスは、ゴシッと、出てくる涙を拭うと、ベジータを見つめた。
「…じゃあ、強くなきゃ…パパは僕なんて要らないんだよね。
パパは、僕が転んでも…倒れても…僕にだけは…絶対に優しくしない。絶対に手を差し伸べたりしないっ!」
「……?!」
そう言うとトランクスは、勢いよく重力室を飛び出した。
「…あっ!?トランクスくん!!」
「放っておけ、悟天…。」
「え?!でも〜」
悟天は、オロオロしながらトランクスが出て行った方に目をやった…。
「…ん?」
重力室の方から、猛ダッシュで駆けて来る息子に、ブルマは声を掛けた。
「あ、ねぇ!トランクス〜夕飯何に……」
「……っ…」
何も答えず、トランクスはそのままブルマを通り越した。
「…。何なのよ…一体…。」
ブルマは、キョトンとしながら、トランクスの後ろ姿を見つめた…。