Soul Eyes

□スタートライン
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いつの間にか…。
何となく…。


ーー…私たちの関係なんて…所詮そんなモノなのだろう…。


「ハァ…」


ブルマは、リビングのソファに座りながら、溜め息をついた。



ーー…あの夜…。


悲しい瞳をしてたアイツを…

孤独な背中を向けていたアイツを…

自分の中に受け入れた事は、後悔していない。



けど…。

分かっているけど、傷つくのだ…。
ベジータの冷たい態度や言葉にーー…。


肉体関係を持ったからと言って“特別”になる訳でもない…。


不確かな感情が…
ブルマを苦しめていた。



(…でも…授かってしまったのよね…。)



ブルマは、そっと自分の腹部に手を当てる…。

自分の中に、力強く息づく生命の鼓動ーー…。

妊娠が発覚した時は、本当に本当に嬉しかった…。


でも、その子の父親である…ベジータにそれを告げる覚悟がない…。



産む…な、と…



ベジータの口から、そう告げられるのが怖かったのだ…。


このまま、何も言わずに産んでしまおうかとも考えた…。

産んだ後で『あんたの子よ…』と言っても…
きっとベジータは、何の興味も示さないだろうから…。


そう考えると、ブルマはがっくりと肩を落とした。


「ーー…ハァ…。つくづく…寂しいヤツよねっ!」



「…誰の事だ?」



「きゃあああああ!!?」


ブルマは、いきなり背後から聞こえた声に驚き、立ち上がった拍子に体制を崩してしまった…。
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