Free Sky
□ロスト・エナジー B
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「ーー…ぶはっ!!!」
ガッと…
車のドア片を押し退けると…ベジータは、倒れている悟空の身を起こした。
「…カ…カカロット…大丈夫か?!」
ーー…爆発する咄嗟に…
悟空と共に、破損した車のドアを盾にして、凌いのだが…流石は、生身の身体だけあり、かなりのダメージを受けていた。
「……くっ…痛ぇええ…」
ゆっくりと…
目を開けた悟空に、ベジータは、ホッと安堵した。
「…ふふ…まさか…ブルマのやつに、気円斬を撃たれるとはな…」
「…ああ…。どうやら…一通りの気技を、シャドーのやつに仕込まれちまったみてぇだなぁ…」
言って、ベジータに目を向けた瞬間…悟空は、ベジータの腕の負傷に驚愕した。
「…ベジータ!!!おめぇ…その、腕!」
「…っ…大した事ない。先を急ぐぞ…」
「…ならねえ!見せてみろ!」
言うと悟空は、そっとベジータの傷口に、布を巻き付けた。
「……。」
「…すまねぇ…おらを庇ったせい…だよな?」
「…ふん!勘違いするな!貴様は、俺の物だからだ。」
「…へ???」
目を丸くした悟空を見据えながら…ベジータは、微笑んだ。
「ーー…貴様の命は、この俺が貰う。他の誰にも…傷付けさせはしない。」
「ーー…。」
悟空は、とりあえずの応急処置が終わると…優しく微笑んだ。
「…だな!まあ、おらも…おめぇになら、やられても納得がいくかな〜。」
「…ふんっ…」
言いながら…二人は笑い合った。
「…しっかし、車…えれー事になっちまったな〜!」
「…捨て置け。島へはセスナで行く。」
そう言ったベジータが、カプセルを放り投げると、たちまちにセスナが現れた。
「…さあ、行くぞ!!」
「…てかよ…ベジータ。」
「何だ?」
「…おめぇさ…これ操縦できんのか?」
「……。出来る訳ないだろう!!!適当にやれば動く!」
ほえ!!?
とりあえず乗ったものの。
悟空は、どうしようもなく降りたくなった。
「…行くぞ!!」
「…お、おお!」
しーーーん。
「…あ、あのさ?ベジータ。」
「…待て!話し掛けるな!」
カチカチと適当に、スイッチを入れてみる。
ブロロロ…
無事、エンジンが作動すると…ベジータは、操縦桿を握った。