Free Sky

□ロスト・エナジー A
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「ーー…ブルマ!!!!」











抱き締める手に、力を込める。







行き交う人々が、好奇な目を寄せてくるも…ベジータは、ブルマを抱き締めたままでいた。













「ーー…っ…離せっ!!!」








突如…ブルマは、ベジータを突き飛ばした。







他人でも見るかのように…蔑んだ瞳を、ベジータに向ける。











「ーー…ブ…ブルマ!?」










ふと…。
ベジータは、ブルマの腕に、見慣れないブレスレットがされている事に気付いた。










「……先程から、何だ?!私の名は、ブルマではない!!!」








「ーー…なっ…!!!?」







その言葉を聞いた、悟空やトランクスも…驚き耳を疑った。











「…ママじゃ…ないの?」







恐る恐る…トランクスがブルマへと近付いた。







「……何を訳の分からない事を!!!私の名は、コード074523X.ジュピターだ!!」








「…ジュピターだと!?何を言っている!!貴様の名は、ブルマだ!!さっさと帰るぞ!!!」








差し出されたベジータの手を、強く振り払うと…
ブルマは、瞬間移動の構えを見せた。










「ーー…何っ!!!!?」









驚愕した一同をよそに…
ブルマは、ニヤリと笑うと…瞬時の如く、その場から姿を消した。








ーー…!!!?







「…ど…どうなって…やがる…」









「おらの…瞬間移動を…何故…」









愕然とした…丁度その時。









『おーい!おーい!悟空〜!ベジータ〜!聞こえるか〜?』







界王の声が、ベジータと悟空に届いた。





「おおっ!!!界王様!!!やーーーっと話せたな〜!」




誰もいない所を見つめながら、大声で話してる悟空の手を…
トランクスがぐいっと引っ張った。





「ご、悟空さんっ!!」





「ん??な、なんだよ〜トランクス〜」




「…ここ…通りの真ん中だから…とりあえずこっちへ…」






言うとトランクスは、悟空とベジータを人目のつかない路地へと移動させた。




「…ここなら、思い切り話せるでしょ?大通りだと、人目が気になって仕方ないや…」




やれやれと…トランクスは、その場へとしゃがみ込んだ。






「……。界王…今の状況を説明しろ。」







腕を組みながら…ベジータが口を開いた。






『ん〜。何から話せばいいのやら…。とにかく…今回、この元凶を引き起こした人物は…今までお前たちが戦ってきた者の中で、最も弱小にして最も最強の…生身の人間だ〜』





「…ほーう…?」




言って、ベジータは、不敵な笑みを浮かべた。






『…あと、ジュピターと名乗った女だがな〜あれは、正真正銘ブルマじゃ!ブルマは、死んでおらん〜。』





「…やはり…そうだったか!でも、どんなからくりを使った!!?あの爆発は、幻でも何でもなかったぞ!!?」





『…んん。方法は分からんが…その人間は、宇宙の砂という物を手に入れよってな?それには、時空を左右する力があると言われておる〜』





「…???どーいう事だ、界王様〜!おら、難し過ぎて…全然わかんねぇぞ…!」





首を傾げながら…悟空が言った。




「ーー…つまり…。その宇宙の砂を利用し、異空間の様な物を作りあげた。そして、ブルマとラボを奪い去り…俺たちには、あたかも爆発が起きたように二重構造にして見せた…と言う訳か。」





ベジータの言葉に…界王は、頷いた。




『流石は、ベジータ。まあ、大方…そんな所じゃろ〜。
奴は、時空を操作し…全ての状況が見える儂との連絡も取れないようにした。用意周到かつ…頭が切れ、しかも、我々の事を、隅から隅まで調べ上げている…恐ろしい男だーー…。』






「…界王様!!誰なんだよ、そいつは!!」








『…ギルス・シャドー科学者じゃよ。』





「…科学者…。」



言うと、ベジータは、不快な表情を浮かべた。
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