Free Sky
□空の唄〜忘れない〜
1ページ/10ページ
ベジータ。
あんたは…
何もかも…分かっていたの?
いつか。
この手が、月に届けばいいのにーー…。
******
煮詰まった会議に苛々する。
「ーー…決まらないのならもういいわ。また明日にして頂戴。」
そう言い放ち席を立つ。
気分が悪くて、その場にいたくないのが本音。
アタシは、外の空気を目一杯吸うと…ある場所に向かう為、ジェットフライヤーを飛ばした。
「……。」
軽く腹部に手を当てる。
ーー…妊娠の事を一番に伝えたいのは、ベジータの他ならない…。
だが…ここ最近、姿が見当たらないのだ。
「…もうっ!逢いたい時には、逢えないんだから…っ」
アタシはハァと…溜息をこぼした。
そして…もう一人。
アタシに勇気をくれた…孫くん。
孫くんにだけには…自分の口から打ち明けなきゃいけない気がした。