Soul Eyes

□追憶の英雄(1)
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「…ううっ〜ひっく…」






エイジ767ーー…。



ここ、カプセルコーポレーションの設計室で…一人ひっそりと泣くブルマの姿があった。



辛い事があれば、いつもここで泣いていた。




孫悟空が死んだ日も…


ヤムチャと別れた…
あの、雨の日もーー…。



いつしかここが…
自分にとって、“密かな泣き場所”となってしまった事に、ブルマは涙を拭いながら自嘲する。








「…どうか…したのですか?」



「えっ?!」




ふと。

背後から聞こえてきた声に、ブルマは、目を見張った。




「…あ、あなたっ…どこからっ…!?」




「…え?!ああ、え〜〜と…。」



突如現れたその青年は、言葉を濁した。




黒髪に、肉付きの良い体…。


何よりも。
その青年が持つ銀色の双眸に、目を奪われた。



どことなく、未来から来たトランクスに風貌が似ていると感じるのは…
最近まで、一緒に過ごしていたせいか?



そんな事を呆然と考えていたブルマに、青年はスッとハンカチを差し出した。



「…どうぞ。
泣いていると…綺麗な顔が台無しですよ?」



「やっ、やだっ!何言って…」



ブルマは、思い切り顔を赤らめながら…その青年からハンカチを受け取った。




「…あ、ありがとう…。」



そのハンカチから香るいい匂いに…

また涙が溢れ出す。





「…ねぇ?…人生ってどうして…うまくいかないのかな。」



「…え?」




素性も知らぬ青年に。



ブルマは、今の心境を語り始めた。




ポツリ、ポツリと…。
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