Soul Eyes
□行く先にあるもの
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ーー…飛べない鳥は、鳥じゃない。
だから。
闘えなくなった戦士も…
戦士じゃ…ないんだーー…。
『行く先にあるもの』
「あ゛〜〜!!!何してんだよ!?パパ!!!」
呆然と…。
窓辺に座り込みながら、庭を眺めていたベジータにトランクスが慌てて近付いた…。
そっと…
その小さな手で抱き上げる…。
それは、翼を負傷した…一羽の白い小鳥だった。
「も〜う!パパ!小鳥さんの事、助けてあげなきゃダメじゃんか!」
トランクスが、ベジータを見つめ、プッと頬を膨らませた。
「…知るか、そんなこと。」
ベジータは、そう悪態をつきながら、ふん!と、そっぽを向いた。
否、本当は知っていた。
だけどーー…。
どうしていいか分からなかったのだ。
間違いなく。以前の己なら、確実に見向きもしなかった事…。
それが、どうだろう。
今は…
どうすればいいかと考えている。
「……。」
徐々に…
そして、確実に。
日々、変化していく己の気持ちに…ベジータは戸惑いを隠せなかった。
「…かわいそうに…。ママに言って、直ぐに手当てしてやるからな。」
そう言ってトランクスは、小鳥を家の中へと連れて入った。
「…。放っておけ。どの道、もうもたん。」
そんなトランクスに、ベジータは冷たく言い放った。