Soul Eyes
□天候支配伝
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「うわぁあああああああーーーーーんっっ!!!!!」
ーー…まだ朝早のCC…。
そこに。
一人の少女の、つんざめく鳴き声が響き渡った…。
「ど、どうしたの?母さん!?」
ーー…鳴き声の犯人は、勿論…可愛い妹のブラ…。
飛び起きてリビングにやってきたトランクスは、唖然としながらブルマに尋ねた。
「それがね〜。今日、幼稚園の遠足だったんだけど…。」
そう言うとブルマは、窓の外にチラリと目をやった。
「……。なる程…。」
外は、土砂降りの雨…。
それを見たトランクスは、直ぐに納得した。
「…ブラ!!雨なんだから、仕方ないだろ?
また別の日に行けるさ…。」
トランクスは、そう言うとブラの頭をよしよしと撫でた。
「嫌だもんッッッ!!!ブラ、せぇっかく楽しみにしてたもん!今日の為に、おやつもたぁくさぁん買ったもんっっ!」
ブルマと同じ蒼い瞳を潤ませながら、ブラは、ブンブンと首を横に振った。
「…でもね〜お天気には、誰も勝てないから…。」
「ぐすっ………」
そんなブルマの言葉に、ブラはまた、わあああああーーん!!!と大声で泣き出した…。
「…朝っぱらから、何騒いでやがる。」
「…っ!!!パパぁああああ!!」
相変わらずの仏頂面でリビングにやってきたベジータに、ブラは飛びついた。
「…ん?」
「…ああ…今日、ブラの遠足の日だったでしょ?
雨で行けないって…朝から大泣きなのよ〜。」
「…何だと?」
可愛い顔をグチャグチャにさせながら、泣いてるブラに…
ベジータは目を向けた。
「うわあああああーーーんっっ!!!遠足ぅううう!ブラの遠足〜!」
「…そんなに行きたかったのか…。」
「あああああーーーんっっ!!!いっぱいいっぱい、楽しみにしてたのにぃいいい〜!」
「……そ、そうなのか…。」
「うわあああああーーーーーんッッ!!!
ママが、お空には誰も勝てないって言ったぁああ〜〜」
「…何ぃ!?」
聞き捨てならぬと…
ベジータの眉が、ピクリと動いた。
「ええいッッ!!!
天候などに、このベジータ様が支配などされてたまるか!!!
こんな雨雲など…俺が一瞬の内に吹き飛ばしてくれるっっっっ!!」
「「はいいいっ?!」」
ベジータの言葉に、ブルマとトランクスは顔を見合わせた。
ベジータは、雨の中外に飛び出すと…
空に向けて巨大なエネルギー波を発射させた。
ーー…バシュン!!!!
……。
……。
……。
ーー…数分後。
ベジータの放ったエネルギー波により雨雲は完全に消滅した…。
晴れ渡る…空ーー…。
「…。」
ポカンと…
空を見上げるブルマとトランクス…。
「と、父さんが…」
「……本当に雨雲を吹き飛ばしちゃった…。」
傍らでは、きゃあきゃあと…ブラが庭を走り回っていた…。
「やったぁ♪パパ、やったぁあ♪」
ブラは、ベジータに駆け寄ると…両手を広げて抱っこをせがむ…。
ベジータによって、抱っこされたブラは、嬉しそうにベジータにくっついた…。
「…パパ!
やっぱり…ブラのパパは、強ぉいね♪
パパ、大好ちゅき♪」
チュッ…と…
ブラは、ベジータの頬に、キスをしたーー…。
「…フン!!」
空には、大きな…
七色の虹ーー…。
★end★