Soul Eyes

□永遠の音色
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バラバラと…

パステルカラーの傘に強く当たる雨音が…今日のブルマには、やけに煩く聞こえた…。





「ハァ。」





一つ…

短い溜息をつく…。




その理由は、先程終わらせたばかりの仕事にあった。





重役達との意見の衝突ーー…。





それはそれで…仕事をしていく上では、必要不可欠な事だと分かっている。




だが。



苦い事を言うのは、お互いに傷付く行為なのだーー…。







(…私が…何も言わなきゃ良かったのかな…。)





後から後から…


そんな思いが沸々と込み上げてくる。




いつもは楽しい筈の帰路が…
今日はとても辛く感じた。



「……。」




雨に濡れるのが嫌で、傘に身を隠す…。





小さく凋んでしまった自分が…

何となく…情けなかった。





















「何を落ち込んでやがる。」




「……!!!」




突如…。
よく知っている声に驚き、ブルマは顔を上げた。





「…ベ、ベジータ…?」




傘も差さずに…



ブルマと目が合った瞬間、意気揚々と笑うベジータ。




「……。」



そんな姿に…

ブルマは思わず瞳を潤ませた。





「…っ!!!ベジータ!」





傘を放り投げ、ブルマは、ベジータの胸に飛び込んだーー…。






顔も…

服も…



降り注ぐ雨にビッショリと濡れる…。





「…迎えに…来てくれたとか?」



そっと…ブルマがベジータに尋ねた。





「いや?俺が歩いていた先に、お前が居ただけだが?」




「ふ〜ん…?」




含み笑いしたブルマは、ベジータの頬にキスを落とした。






「フフ!何かね!もう…どうでもよくなっちゃった!」




不意に…

ハイヒールを脱ぎ捨てたブルマが裸足で走り出す。





「ねぇ!?家まで競争しない?!」




「…フン!俺に勝てる訳なかろう。」




「…言ったわね〜!そんなの分かんないじゃない!」





パシャパシャと…


はしゃぎながら走るブルマに、ベジータは優しく目を細めた。






「気持ちいい!」




雨をシャワーのように浴びる。



ーー…さっきまで…


あんなに濡れたくなかったのに…


あんなに憂鬱だったのに…




今は…。




嘘みたいに穏やかでーー…











「ねぇ!ベジータ!早く、早く!!!」





振り向き、とびきりの笑顔で叫ぶブルマ…。















ベジータが居れば…






何も怖くないと思った…。











ブルマの心に架かる…


七色の虹ーー…。




















続→



ええ。( ̄∀ ̄)
実は次ページに続いていたりします。



微エロ注意
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