Soul Eyes
□何もかも全て...
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「ね〜〜え!ベジータったらぁ〜。」
「……。」
ある昼過ぎのC.Cーー…。
足早に歩くベジータの後を、ブルマが付いて回っている。
「ねーねーねーねー!!!ね〜えってば!」
「…ええい!!!喧しい!!!いい加減にしろ!」
くるりと振り向き、ブルマに声を張り上げるベジータ。
そんなベジータに怯む事なく、ブルマは勢いよく詰め寄った。
「だって、だって〜!質問に答えてくれないからでしょ〜?答えてくれるまでは、絶対に、は・な・れ・な・い!」
「…うっ…。だ、だから……」
ベジータが一歩、後退る。
「うんうん!だから?」
キラキラと目を輝かせながら、更にブルマは、ベジータに詰め寄った。
「……。」
「……。」
…数分が経過。
「……で?何なの?」
「や、喧しいっ!!!」
そうこうしている内に、元の場所であったリビングに到着した。
「ね〜早く答えてよ〜!」
「……。」
無言のまま、ドカッとソファーに座るベジータ。
その横に、ちょこんとブルマも腰掛ける。
「…あれ?パパ、まだママに返事してあげてなかったの?」
二人が座った向かい側のソファーで、テレビを見ていたトランクスが、呆れたように両親を見つめた。
「…き、貴様〜!!!
まだこんな所にいやがって!!!さっさと宿題でも…」
「コラ〜!話題を変えようとしないの!」
クリッ…と。
トランクスに向けていたベジータの顔を、ブルマは、自分の方へと向けた。
そんな両親の姿を見つめながら、トランクスが席を立つ。
「は〜。あほらし〜。ただママの髪型が、長い方がいいか、短い方がいいか答えるだけだろ〜?
俺、あっちでゲームでもしてよ〜っと。」
「なっっっ!!!」
そんなトランクスの言葉に、頬を赤く染めるベジータ。
「そうよね〜♪それだけ答えるのに、家を一周したんだから〜」
「う、煩い!!!」
(〜〜〜!!!あの野郎〜!後で覚えてやがれ〜〜!!!)
ベジータは、リビングから出て行ったトランクスを、恨めしそうに見つめた。
「ねぇ?それで?どっちがいいの?」
ブルマがベジータに顔を寄せる。
と、同時に…腕にブルマのふくよかな胸の感触を感じた。
「……っ…。だ、だからっ……」
これでは身が持たんと…観念したかのようにベジータは、口を開いた。
「…べ、別に、今のままで…変わらんでいいだろう。」
「…へ???」
キョトンと…
ブルマがベジータを見つめる。
「…な、何だ、その顔は…!!!答えが不服とでも言いたいのか!」
「…え?う、ううん!そうじゃないけど…答えが見つからないから、適当に言ってるんじゃないわよね?」
「阿保が!!!何故そうなる!!!」
その証拠に。
ベジータの顔は、耳まで真っ赤になっていた。
「…ねぇ…じゃあ…メイクは?服装は?今のままでいい…?」
「……しつこいぞ!!!変わらんでいいと言っているだろーが!」
ふん、と…。
いつものお決まりのポーズで、ソッポを向くベジータ。
「…ホントに〜?
じゃあ…今のままで十分綺麗って事よね?私の全てが…好きって事よね?」
「……。けっ!勝手に言ってろ…」
呆れたのか、照れたのか…
悪態をつきながら、席を立つベジータ。
「あ!コラ〜♪」
逃げるなとばかり…ブルマがベジータをソファーへと引き戻した。
「……っ…」
そのままベジータの上に乗り、キスを落とす…。
「ーー…私もね…
今のままのアンタが好き…。」
「……。」
見つめ合うベジータとブルマーー…。
そして…
そのまま何度も何度も…唇を重なり合わせたーー…。
「…フフ…」
「えへへ…」
ずっと…
こうしていたいーー…。
穏やかな二人の笑い声が、リビングに溢れた。
★完★