Soul Eyes

□5月の空
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見上げた空が余りにも切な過ぎて…ちょっとだけ足を止めた。



季節はもう夏に向かおうとしてるのに、こんなに寒いなんて…

何だか、余計に辛くなっちゃうじゃない。




『今すぐ逢いたい。』なんて・・・



『帰ってきて欲しい。』なんて・・・



弱さを見せるようで言いたくない。



だって私は、思っていたもの…。


一人で、決意したもの…。



家族を持てないと言い張るのなら…



関係ないと突き放すのなら…



私は、トランクスと二人で、生きていこうとーー…。



頑張る事に、無駄な事なんてないと信じている。


だけど、アイツの態度や言動が、『どんなに想ったって無駄だ』と…
そう思わせるのだ…。




ホラ。
5月の空だって、そう言ってる。




そう…



言っているのだろうかーー…?



求めていた訳じゃない。


普通の幸せ…
普通の暮らしなんて…最初から望んでいた訳じゃない。



ただ…。


激しく、狂おしく求め合ったあの夜ーー…


産まれてきたトランクスの笑顔…。


母親になる覚悟。



全てが大切だと知った時…


幸せでありたいと願わずにはいられなかった。




ーー…そして。


何故かいつも答えは同じだった。



必要なのだ。


私には…
ベジータがーー…。
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