ティキリド

□ DAKARA。
1ページ/1ページ




この日俺は、仕事が早くに終わったから、少年の家に遊び(もとい不法侵入)に来ていた。


少年が帰って来てから暫くすると、のっそりとベットの下からはい出て行って、一言。


「遊びに来たよ♪少年♪」

「どっから湧いて出て来てんですか貴方はっ?!」


するとまあ、当然のように驚いたリアクションをされた。


「何処って…ベットの下から?」


にへら〜とした笑みを浮かべつつそう言った。
…みるみるうちに少年の顔に怒りが見てとれていくなぁ


「人の家に不法侵入しておいて…ふざけないで下さいよ」


「ってぇかお前…アレンの、ストーカー?」


ふと少年の横を見れば、そこには少年以上に怒りのオーラを募らせている眼帯君が。
…あ…何か流石に冷や汗掻いてきたかも…。


「い、いや、違」


「違うんさ?…じゃぁ何でアレンの家のベットの下におったん?」


ちょっとヤバイかも…。
段々と冷や汗が激しく流れ初めた。
と、不意に後ろに気配を感じる。
ゆっくりと振り返…




ゴツッ




ろうとしたけど。
途端、頭に衝撃が走り、その痛みで涙目になってしまった。



「悪ぃな、二人共。
俺の連れが迷惑掛けちまって…」



…あれ…?この声には、聞き覚えがある…。
っていうかもしかして…



「あっ…リーさん!」


「リー?…何でここに…」


俺の最愛の恋人の名前、馴れ馴れしく呼ぶなよな…。
内心、少し苛ついてしまった。


今さっき俺の頭を勢い良く(常人なら多分…いや絶対気絶してると思う)殴ったのは、最愛の恋人のリー。
俺はこいつ意外はもう二度と愛せないね。



「あぁ…近く通りかかったから、もし二人が居たら遊ぼうかな〜とか思ってさ。…思わぬ馬鹿が居たけど」



ちらっと一瞬俺の方を見て、冷たい声色でそう吐き捨ててた。

…もしかしなくても、お荷物扱い?
うわっ目茶苦茶悲しいんですけど…。
俺泣いていい??



「ホント迷惑ですよ、この人……」


「アレンに迷惑掛けんなさ!この変態陰毛頭!」


「……なっ?!」


何そのあだ名?!
ちょ、俺マジで泣いていいかな…。
いやそれ以前に何でそんな…


「とにかくっ!
迷惑掛ける前に…って、もう掛けてるよな……。
とっとと帰れ」


深いため息をした後、呆れたような表情で俺を見て、女神はそう言った。

相変わらず冷たいなぁ…俺の女神は……。
まあそんなとこも好きなんだけどっ♪


「ん〜、わかったよ…
勿論、女神も一緒だろ?」


軽く笑みを浮かべながら、そう問い掛ける。
俺は勿論、例え無愛想であっても肯定してくれると思ってた。


「何でですか?
折角来たんですし、ゆっくりしてって下さい。
……リーさんだけ」














俺のそんな甘ぁい考えを打ち消したのは、少年の、女神だけゆっくりしていってという言葉だった。



.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ