ラビアレ
□《誓い》
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僕は今、教団内の自室にいます。
久しぶりに休暇を貰ったので、ゆっくりしてるんです。
……本当は、ラビと一緒に居たかったんですが…
ラビは任務なので、仕方ないんです…
明日まで帰ってこれないのか……
……すぐに会いたいのにな…
コンコン
不意に、僕の部屋のドアがノックされた。
「はい?」
寝転んでいたベットから身体を起こして、ゆっくりとドアを開ける。
そこには……
「ただいま、アレン」
明日まで任務で帰ってこられないはずの、ラビがいた。
「え……ど、どうしてここに…?」
お帰りなさい、という言葉より先に、どうしてここに?…という疑問が頭を過ぎり、質問してしまった。
するとラビは…
「ん?……アレンに会いたくて、早めに終わらして来たんさ♪」
と言って、笑ってみせた。…僕は、貴方のその笑顔が大好きです…ラビ…。
「へぇ……そうですか……」
でも、口に出して言うのは恥ずかしくて……興味のないような相槌しか打てなかった。
「そうなんさ♪……あ、これ、アレンにプレゼント♪」
だけどラビは、特に気にする様子はなかった。
ごそごそとポケットの中を漁り、取り出したのは、綺麗な装飾が施された、小さな箱だった。
ラビはそれを僕に手渡す。
「…? プレゼント…ですか?」
受け取ったはいいけど、どうすればいいかわからず、首を傾げてしまう。
「開けてみてさ」
にこにこしながらそう言うラビ。
……断る理由もないし…まあいっか。
そう考えて、僕は持っていない左手で小箱を開けた。
すると中には……
「……指輪…?」
銀色の、何の施しもないシンプルな指輪が入っていた。
「そう、指輪。……はめてやるさ」
そう言って、小箱の中から指輪を取り出し、僕の空いている左手をそっと持ち上げると、さっきプレゼントしたばかりの指輪を
……薬指にはめた。
「……あ、あの、ここって確か…」
左手の薬指……確か、結婚指輪をはめる…
「これ、今の俺の気持ちさ」
真剣な表情でそう言うラビに……何だか………いつもよりも…凄く…
ドキドキする………
「ぇ……あ…ぇーと…」
どんどんと顔が赤くなっていくのが、自分でもわかる。
心臓が煩いくらいに、大きく、早く、鼓動を刻んでいた………
「…アレン………結婚してほしい」
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