CP短編

□祇園囃子
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誰も居ない、部屋。

開いている障子から射し込む陽の光にあてられて、
苦楽を共にしてきた愛刀を眺めていた。




もう、起き上がってそれに触れることさえままならない。



私は衰弱してしまった。

重い鉛を、この胸に抱えて……




「皆さん、元気にしているでしょうか……」


近藤さん、永倉さん、原田さん、山崎さん、斎藤さん、鉄クン………






「土方、サン………」





皆、私から離れていってしまった…否、私が皆から離れてしまった。

離れざるをえなくなってしまったのだ。
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