CP短編
□ジュリエットの悲劇
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『ジュリエットの悲劇』
おかしい、とは思った。
一度だって約束に遅れたことのない彼奴が、どれだけ待っても来ない……なんて。
――〜♪
鳴り響いた携帯の着信。
そして、俺の不安は的中する。
バタバタ………
「き、急患で運ばれた黒崎一護は…!?」
「少々お待ちを………3階の第2手術室です。」
エレベーターを待つのもじれったい。
無我夢中で階段を駆け上がる。
“檜佐木先輩、一護が…………"
「一護……!!」
“トラックに…………事故……"
「一護っっ……!!」
焦った様子で電話を寄越したのは、高校時代の一護の同級生で俺の後輩である恋次だった。
聞けば、一護は運転を誤った大型トラックに真横からハネられたのだという。
あの細身で、堪えられるわけがないだろう。