狂
□暑い日だけの限定モノ
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「あっつ〜」
「そりゃ、先輩。真面目にきっりちスーツ着てたら暑いでしょう。」
「何?お前、白衣着てても暑くないの?」
「暑いですよ。」
「汗かいてないじゃん。」
そうなのだ。
シュタインはまったくといっていいほど、汗をかいていない。
今、死武専の職員室のクーラーは壊れている。
教室はクーラー活動中なので、ココに帰ってくると汗が一気にでる。
いくらデスサイズだと言っても体の作りは人と同じ(シュタイン談)なので例外なくスピリットは汗をかいていた。
「あっつ。マジ、あっつ!!!」
やんなるな、と髪をかきあげる動作がいやに色っぽい。
シュタインは内心、この天然淫魔がと毒づいていた。
「死人〜クーラー直してくれよ。俺このままだと死ぬ。」
「こんな暑さで弱音なんて吐くな。俺はそんな事しない男だった。」
「嘘言えよ。ちょっと外出ると暑い暑いって言ってたのはどこのどいつだよ!!!」
「知らん。誰かと間違えてるんじゃないか?」
「あーそうかよ。ってか。死人近寄るなよ。なんか腐乱臭がする。」
暑さのせいで苛々しているのか、スピリットはしっしと手を振る。
「先輩。スーツ脱いだらどうですか?」
「あぁ?キッドがうるさいんだよ。」
「ここには居ませんよ。」
「………。あっつ!!」
バサッとスピリットは上着を脱いだ。
髪は高いところでくくる。
白いうなじが目に痛かった。
「あー、くっそ。シャツが張り付いてる。」
ネクタイを外してボタンを3つもあける。
そして、窓を開けてぐでんともたれている。
「なんか、あの人エロいですね。」
「そんな事思ってんのは博士だけだ。」
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