□ないないない
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ない、ない、ないぃぃ!!

有り得ない。

ない。

この世が終わるぐらいない。

この俺の女好きが治るぐらいない。(言ってて情けなくなってきた)


「バカ!俺、男だって!」

「知ってますよ。さっき一緒に風呂入ったじゃないですか。」

「なんで、解ってて押し倒してんだよ!」

「何でって、先輩が余りにも色気ありすぎたから。」

「だぁー!!聞くんじゃなかった!ってか、どけぇ!」


そう、俺は何故かこの解体バカであり生意気で可愛げなんて微塵も感じない後輩。

フランケン・シュタインに押し倒されていた。

今日は雨でお互いにビショビショだったので、俺が先輩命令でコイツの家に来たのだった。

一緒に風呂とか言っていたが、ほんの一瞬入れ替えの時に同じ空間に居ただけだ。


「どきたくないです。」

「なんでだよ。あーもう!」

「先輩」

「あぁん?」

「いいですか?」

「はぁ?何が?意味が解らないんですけど?博士、酔ってる?」

「強いて言うなら、先輩の瞳に酔ってます。」

「ウゼェ!!そして。寒い!」

「酷い。傷付いた。」

「た………体重かけんなよ!んっ」


チュッ


「「あ」」


体重をかけられたのでバタバタしていると、俺の唇に何か同じようなものが当たった。

まさかな。

ないよな。


「先輩………無理」

「何が………うぎゃああぁぁぁ!!」



ないないない
男となんてないよな!シュタイン君!!





end

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