□夢だったら、いいのにな
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「チュタイン君」

「ムッ」

「アメいる?」

「戻ったら覚えといてくだちゃいよ。」

「恐くもなんともないぞ。」


可愛くもないぞ、とは言わなかった。

コレが可愛い女の子だったらそりゃーもう。

デレデレだっただろう。

生憎、コイツは男だ。

俺は立ち上がりヨシヨシとシュタインの頭を撫でてる死神様に授業はどうするんですか?と聞いた。


「うん。それなんだけどね。」

「はい。」

「スピリット君がシュタイン君と一緒に授業してくれる?」

「いやでしゅ。」

「「はい?」」

「今、しぇんぱいと一緒にいたくないでしゅ。」

「………じゃあ、どうすんだよ。」

「そうだよ。シュタイン君。ここは我慢して「いやでしゅ!!!」


なんだこの我が儘野郎。

いつもは俺が嫌だって言ってんのに言い寄ってきたりするくせに、自分の醜態は俺に触れられたくないのか?

いい度胸だな、おい。

コレが『先輩』だ。


「よいしょ。」

「うわっ」

「とにかく、授業行きますわ。」

「よろしくね〜」

「ちょっと!!!しぇんぱい、おろちて!!」

「お前が実験の失敗なんてするからだろ。少しは反省しやがれ。」

「しぇんぱいに説教されるなんて屈辱だ。」

「難しい単語はスラスラ言えるんだな。」


シュタインを小脇に抱えて一時間目のクラスに向かう。

シュタインはずっと文句を言っているが知らんふり。

いつものお返しだ。



夢だったら、いいのに
そう耳をパタパタさせながらチュタイン君は悪態を付いた。










end

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