狂
□夢だったら、いいのにな
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朝起きて(遅刻ギリギリ)髪をセットして愛しの愛娘の通う(または俺の職場)にもうダッシュで駆けて行く。
「おはようございま〜す。」
「あっ!おはよ〜ん、スピリット君。」
「…………誰ですか?」
「気付いちゃった?」
死神様の足もとに白い見覚えのある子供が一人。
ただ俺の知っている白い見覚えのある子供とは違うのが、犬の耳(垂れてるの)にフサフサした尻尾が着いている所だろうか。
俺はしゃがんで目線を合わせてやる。
「………この子どうしたんですか?」
「ん?なんかね、実験に失敗したみたいなの。」
「実験?って事はやっぱり………」
「おれでしゅよ。フランケン・チュタインでしゅ。」
「………」
呂律が回っていないから、俺と出会うもっと前のシュタインらしい。
普通なら可愛いなぁ〜とか思うのだが、コイツがあの博士だから可愛いとか思えない。
実験の失敗?
どうせ、俺に良からぬ事しようとしていたはずだ。
でも、なんで犬?
「しぇんぱい?」
「記憶は残ってんのか?」
「あい。」
「………死神様、どうするんですか?」
「ねぇ〜」
天才でも失敗とかすんだなと俺はニヤリと笑った。
こんな事でしかコイツの上には立てない。
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