□カニバリズム愛用者
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コワイ。

全てがコワイなんて思ったのは何時だったんだろ。

今、此処に有るモノも目を閉じた瞬間なくなりそうでコワイ。

自分の存在も明日にはないかもしれない。

瞬きすると世界は消えるかも知れない。

なんて不安定な世界なんだろう。


「だから、考えるの止めた。………はずなんですけど………」

「?」

「どうして、考えてしまうのでしょうかね?死神の武器さん」

「なんでって言われてもなぁ。」

「わからないか………」


目の前には赤毛の男が一人。

ん?

人の姿をした武器が一個の方が正しいのか?

ん??

わからなくなってきた。

とにかく、目の前には師匠の愛用の武器がいる。


「何を考えてるんだよ。」

「聞きたい?」

「聞いて欲しいんだろ?そんな顔してるぞ。」

「そっか………」


そう、呟いて私はソレを抱え込んだ。


「武器さんが失くしてしまったらコワイモノってありますか?」

「失くしたら恐い者?そりゃあ、可愛い愛娘だよ。」

「娘?」

「そう、大事な娘。」

「私が、失ったらコワイモノは武器さん君だよ。」

「俺?」

「そう。で、失わない為に私はこうするんですよ。」



ガブリ



カニバリズム愛用者
食べてしまえば無くならないし、一緒に居れるでしょう?







end

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