狂
□聞いてもいい事と悪い事
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シュタインがトンプソン姉妹と仲良くやっていた頃。
デスサイズことスピリット・アルバーンは壁伝いに廊下を歩いていた。
「いったー。クソあの野郎。」
シュタインの美肌の元である”毎日の適度な運動”のお相手であるスピリットは、昨晩もそれに付き合っていた。
「今日は絶対にやらねぇ。」
と、毎日言っている気がする。
今日こそは、今日こそはと毎晩流されてしまっているのだが。
「パパ」
「この声は………マカちゃん!」
「何よ」
「マカが………マカから声をかけてくれたー」
涙を流しながら抱きつこうとしたが失敗に終わる。
すかさずマカチョップが入る。
「あのさ、パパ」
「なんだい?」
「どーして、博士みたいにかっこよくないの?」
「………はい?」
「歩き方だって、おじさんだし。博士の方が若いけどさ、パパよりかっこいいよね。ソウル」
「あ?あぁ」
「………マジ?」
「ちょっとは博士見習ってさ、運動した方がいいよ!」
娘からの衝撃の一言でしばらく動けなかった。
誰のせいで毎日腰痛で苦しんでいると思っているんだ。
いや、その前にシュタインがかっこいい?
マカ、それは間違っているぞ。
パパの方がかっこいいんだぞ!
アイツはただの変態だ!
「ってか、シュタイーン!!!」
うちのマカに何をしたーと叫びながら、スピリットはシュタインを探しに走り出した。
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