狂
□その視界に紅を入れるな
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「ん?あー。あれだ。酒の相手探しにきたんだ。」
「俺じゃなくても死人がいるでしょ?」
「アイツはすぐに潰れるからダメだ。」
瞳をこちらに向けたシュタインに笑いかけてやる。
でも、シュタインが見てるのは俺の髪の毛。
忌まわしいぐらい紅い髪の毛。
「あっかいなぁ〜。」
「あぁ。紅いぞ。」
「先輩の髪の毛は綺麗ですね。俺大好きです。」
「そうか?」
くるくるとシュタインは指に俺の髪の毛を巻きつけていく。
その顔は光悦としていた。
口元がだんだんと上に引きあがっていく。
「ヒヒヒ。先輩、綺麗ですね。」
「………」
「これがドロドロのグチャグチャだったらもっといいのに。」
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