正
□同属嫌悪
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「メデューサさん。」
「なんですか。今度は」
「俺のこと嫌いですか?」
あの男と同じような白衣にメガネ。
実験好きの掴み所のない性格など異常にそっくりだった。
いつも表情の読めないような笑顔に、人を試すような言葉。
愛なんてわからないなんて言うが実際は博愛主義者。
そこだけは今目の前に居る男とはまるで違う。
さらに違うのは口に咥えているのがタバコではなくあの男の場合はキャンディーだったことだ。
メデューサはまたふふっと笑った。
シュタインもヘラヘラと笑う。
「どうして、そう。今更なことを聞くんですか?」
「やっぱり嫌いでした?」
「はい。嫌いですよ。何考えてるのかわかりませんから。」
「それはメデューサ先生も同じですよ。俺には何考えてるのかさっぽりわからない。」
「あら?私はわかりやすいってよく言われますわよ。」
あの男にだけど。
と、心の中で付け足す。
「そうですか。俺は貴女のこと好きですよ?」
「愛も知らない貴方が?」
「俺は博愛主義ですよ。」
「博愛主義はそんなのじゃないですよ。」
メデューサはほら、授業はサボらないでくださいと追い出す。
同属嫌悪
あの人と同じような人間は殺したくなるぐらい嫌いよ
end