□同属嫌悪
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「そうなんですか〜」


ふふっと笑ってメデューサは薬品を棚にしまう。

ガラス越しにヘラヘラと笑っている白いのを確認する。


「そうなんですよ。」

「で、その先輩さんはどうなったんですか?」

「逃げちゃいました。」

「あら、逃げられたんですか。残念ですね。」

「そうなんですよ。慰めてくれませんか?」

「………ご冗談を」


振り返り笑顔で返す。

ヘラヘラと笑う目元があの男にそっくりだった。


「本気ですよ。」

「もー。セクハラです」

「ハハハ。」

「さぁ、博士。もうすぐ授業の時間ですよ。」

「今日は休講なんで。」

「あら?どうしてですか?」

「どうしてでしょうかね?」


二人は笑顔のままだった。

そのまま腹の探りあい。

いてもなんにも楽しくはないのだ。

先に目をそらしたのはメデューサの方だった。


「私は仕事がありますので。」

「黒血のですか?」

「はい?なんですか、それ」

「ソウル君の体の中に入った魔剣の血液ですよ。狂気を引き起こすあれです。」

「あぁ、あの血液そんな名前だったんですか。」

「知らなかったんですか?」


知ってるさ。

それを造りだした人も魔剣それ自体も。

心の中でそう思っていても絶対に顔にも出さない。

メデューサは博士はもの知りですねとまた笑う。









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