正
□理由は本当は無いの
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「汚いわよ。」
「い………今なんて？」
さらりと明日の天気でも言うかのような言い方に一瞬聞き間違えだと思った。
妻はタオルを差し出しながらもう一度言う。
「だから、離婚しない。判子はもう押してるから。」
「なんの冗談だよ。」
「本気」
「なんで………俺の女遊びか？」
「違うわよ。今さら治らないでしょ。」
「なら、俺のこと嫌いになったのか？」
「それも違う。」
「じゃあ、何で？」
なんで離婚？
デスサイズ妻の肩をしっかりと掴んだ。
どんなに女好きって言っても、本気で好きじゃない女と子供なんて作らないだろう。
他の女と寝て帰ってきた旦那を許せたのはそんな気持ちがあったからだ。
「なぁ、考え直してくれ。」
「決めたの。マカには悪いけど。」
「俺は嫌だぞ。俺は「スピリット！！」
妻がデスサイズの名を呼んだ。
昔ペアを組んでいた時のように。
一度決めた事は何があても曲げない。
今回も曲げないだろう。
「私はパパが好きだし、女遊びも怒ってない。マカはどうか知らないけど。」
「なら………」
「ごめんなさい。スピリット。今回のは私の我が儘なの」
「…………うん」
理由は本当は無いの
結婚生活続ける理由も離婚する理由も
end