正
□理由は本当は無いの
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家に帰るといつものようにため息とともに股間を蹴られた。
「うっ」
「お帰りなさい。はやくお風呂入ってきてね。そのまま洗濯機も回しちゃって。」
「あぁ………」
「マカが入学して、ソウル君と暮らし始めたからって飲みに行き過ぎよ。」
「ごめん」
結婚して、妻以外の女の人と何回ほど寝ただろう。
別に妻に不満があるとかじゃない。
妻は出来すぎていて自分にはもったいないぐらいだ。
なのに、浮気を繰り返してる自分は本当に最低だと思う。
「今日マカから電話は?」
「あったわよ。十個目の魂を狩ったんですって」
「早いなぁ。さすがママの子だな。」
「そうかしら?私はパパに似てると思うんだけど。」
風呂上りのデスサイズに水を渡して妻は何気なくテレビを点けた。
「あっという間にデスサイズ作りそうだな。」
「そんな簡単にはいかないわよ。そうだパパ」
「何?」
「離婚しない?」
「ぶはぁっ」
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