□ビター・チョコ
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マカの家に集まってバレンタインって日のためにチョコレートを作っていた。

初めて見た茶色い甘い食べ物にどう接していいか分からなかったけど、口に入れたら甘くて美味しかった。


「クロナはミルクがいい?それともビター?」

「ビター?」

「ビターはね、ちょー苦いんだよ!ねっ、お姉ちゃん。」

「そうだよ、パティ。ま、私はビターが好きだけど。」

「私はミルクかな?」


チョコなのに種類があるのかとちょっと驚いた。

僕はどうしたらいいのか分からなくなって、珍しくお腹から出てきて僕と一緒にチョレート作りに励んでいたラグナロクを見た。


「うじゅ。ラグナロクはどっちがいい?」

「はぁ?なんで俺に聞くんだよ、アホクロナ!!」

「だって、どうせラグナロクが食べちゃうでしょ?」

「…………当たり前だろ!」

「いたっ!」


手に持っていたお玉で小突かれた。

カコンッといい音がした。

グーで殴られるよりも痛い。


「大丈夫?クロナ。」

「平気だよ。マカ」

「そうそう。コイツはどんなに殴られても平気なんだから、いちいちこっち来んな貧乳!」

「ひ………言ったわね!」

「マカちゃん落ち着いて!」


ラグナロクの一言でマカが台所の物を投げ飛ばし始めた。

みんな自分のチョコを守りつつ、マカを抑えていた。

僕はちっちゃくなって見ていただけだけど。

だってお腹ではまだ、ラグナロクが貧乳って言ってたから。








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