□母性<絶対性
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『メデューサ様は確かに僕を生んだけど、”母親”じゃありません。』

『僕の”絶対”です。』

『言う事を聞かなきゃ』




「クロナ、あの男の子を殺しなさい。」


メデューサ様の指さす方向にはたまたまこの町に来て一番に声を掛けてくれた少年。

一緒にサッカーしてもらった。

僕に気付いて手を振っている。


「クロナ殺しなさい。」

「……………ません。」

「何?聞こえないわよ。」

「出来ません。だって子は………」


ゾッ。

僕を見下ろすメデューサ様の目が恐かった。

死の恐怖なんてない。

死よりもメデューサ様に切られる方が恐い。

「いらないわ。聞き分けの悪い子なんて」



『言う事を聞かなきゃ、捨てられるんだ』

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