□君の痛みを半分頂戴。
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「おい、死神」

「なんだい?」


押さえ付けられたのに無抵抗なんてラグナロクらしくない。


「職人に手ェ出すんじゃねぇぞ。」

「もちろん。約束はちゃあーんと守るよん。」

「当たり前だろ。」


死神様の手がラグナロクの頭に触れた瞬間、全身の力が抜けた。


「ぴぎゃエエェェェ!!」

「ラ……ラグナロク?」

「消化しちゃってるのを無理矢理出してる訳だからちょっと辛いけどすぐ終わるからね♪」


苦しそうに悶えてるラグナロクなんて初めて見た。

涙が出てきた。


「やめて……お願い………やめて」

「ぴぎゃああぁぁ」

「やめてよ!!ラグナロクをイジメないで!お願いだから!」


辛いのはラグナロクのはずなのに僕も辛い。

見たくない。

ラグナロクの辛い姿なんて見たくない。

ラグナロクが苦しんでるのに僕は体が動かないだけで痛くも苦しくなんてない。











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