□神様と神様の話
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「久しぶりだな、クロナ。いや。今は鬼神と呼ぶべきか?」


世界を覆っているのは狂気の波長。

その中心となっているのは、やわらかそうな猫っ毛の薄い紫色の髪に垂れ目を持つ小柄な人物。

光の宿らない真っ暗な瞳をぐるんぐるん回しながら聞かれたことに答えた。


「じゃ、君は『死神』って呼べばいいの?えっと・・・キッド。だっけ?」


古い記憶を呼び覚ますかのような言い方。

前鬼神である阿修羅の魂を食べ、鬼神になったクロナは不器用に口の片方を上げる。

そのアンバランスさに虫唾が走る思いをしながらも前死神から世代交代をした現死神のデス・ザ・キッドは答える。


「任務中は死神と呼ぶように仲間には言っているんだが。クロナはどちらでもいい。」

「どっちって。何となにがどっちなの?あ!僕は君たちの仲間じゃないもんね!キッドって呼ばないとダメかな?・・・でもそれってどうなの?ああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!わかんないよぉおおぉぉぉぉ」


クロナの叫びに答えるように空気も振動する。

喉が潰れるのではないかと思うような絶叫を何分間も続けて落ちついたのかちらっとキッドを見つめた。

それもたった一瞬のことであったけど。


「キッド・・・君は神様なんだよね?」

「あぁ。そうだ。」

「じゃ。お願い聞いてくれるかな?」


顔を赤くして恥ずかしそうに身をよじると、照れくさそうに口の中でもごもご言う。


「世界中の人の魂食べてもいい?」


それはまるで、そこにあるおやつを食べてもいいかと母親に強請る子供のようだった。

細すぎる腕に似合わない大剣を握り、誰も寄せ付けないオーラを纏いながら。

クロナは濁った瞳でキッドを見つめた。






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