□笑う
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「おい、クロナ。」

「うじゅ?何?」

「なんもねぇーけど。なんかしろ。」

「何かってなにさ。」

「何かって何かだよ!それぐらいわかれ!この根暗。」

「うじゅっ、何さ。殴ることないだろ。」


前よりも小さくなったラグナロクの手で殴られてもそんなに痛くはない。

それでも回数を重ねられると痛い。

しばらくはクロナは枕に顔を埋めて我慢していた。


「おい、聞いてんのか!!」

「痛いよ。」

「おい。この野郎。馬鹿クロナ。」

「痛いってば、ラグナロク。」

「この。この。この!!!」

「痛いって言ってんだよ!!!このチビが!!!」

「お、キレたな。クロナ。」


これも毎度のことなのでラグナロクはゲラゲラ笑いながら流す。

それも慣れているのか頭をさすりながらクロナはベッドの上に寝転ぶ。

何もすることがないのは嫌いだ。

だけど、何もするきになれないのだ。


「暇だね。」

「何かしろよ。」

「ラグナロクがやりなよ。僕はいいよ。」

「つまんねぇ奴だな」

「そうだよ。」

「開き直るな!」


くだらないやり取りにも飽きてきた。

クロナはふふっと笑う。


「なんか、楽しくないね。」


こんな暇で時間を無駄にしかしてないのに、それでもいいやと思えてきた。

クロナは大声で笑い出した。


「ラリってんじゃねーよ。クロナ。」

「だって・・・なんで生きてるのかわからなくなってきたんだもん。」


笑いが止まらなかった。





END

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