□うさぎ年
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「ね・・・ラグナロクは覚えてる?」

「あぁ?」

「僕が初めて殺した動物のこと」


そう言って奴は腕に抱えていたウサギのぬいぐるみの首をちぎり始めた。

言われてからやっと気付いた。

なかなか殺せなくって、俺とあの魔女に怒鳴られていたっけ?


「ちっせー、ウサギだろ?」

「よく覚えてたね。そうだよ、ウサギちゃん。何もできないのに、じっと僕を見てるんだ。どう接したらいいのかわからなくなってくるんだけどね、殺したらそんなの考えなくってもよくなって楽になれるんだよ。ね?これは知ってた?」


ブチブチと首と胴体が完全に離れた。

わたが出てきている。

クロナはにやっと笑いながらこっちを見てきた。


「ラグナロクはどうだった?」

「んなもん、覚えてねーよ。馬鹿クロナ」




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