□追憶パレード
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「もー。パパなんて大嫌い!!」

「マカ〜。パパは〜……パパは〜!!」


いいなぁ。

"大嫌い"なんてマカは言ってるけど、凄く楽しそうに笑っている。

"大嫌い"って言われているデスサイズさんも笑っている。

あまのじゃくな親子だなぁ。


「………」

「クロナ?どうしたの、ぼーっとして。」

「えっ!その………えっ〜と、何でもないよ。」


僕はあの人に"大好き"とか"大嫌い"とか言った事ない気がする。

そもそも、あの人が僕の事を愛してくれてたのかなんて分からない。

その前に僕はあの人事好きだったのかな?


「メデューサ様の事……」

「?」

「マカ。僕はメデューサ様のこと好きだったのかな?」

「え?」

「メデューサ様は僕のこと好きだったのかな?」

「クロナはどう思ってるの?」


マカにそう言われたから小さい頃を思い出してみる。

最初の記憶はメデューサ様に縛り上げられて、逆さまにされて血を抜かれた時のだった。

次に黒い液体を入れられてラグナロクに出会って………ウサギちゃんだ。

マカのパパみたいに絵本呼んで貰った記憶がない。

抱きしめられた事も。

キスされた事も頭を撫でられた事も。

ない。

僕はメデューサ様に愛して欲しかったのかな?

まさかね。


「よく分からないよ。」

「そっかぁ」

「でも、いいんだ。今はマカが好きだから」

「うん!」


満面の笑みを浮かべるマカに僕も同じように笑いかけた。




追憶パレード


過去の事考えたっていい事なんて一つもない。









end

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