正
□母の日にはカーネーションを
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父の日に何かするって何年ぶりだろ?
思春期に入ってからパパとは口なんて利かなくなってたし。
学校に入ってからはソウルと一緒でパパとはあんまり話してないし。
(あんまり、デスサイズの娘だって知られたくなかったしね。)
とまぁ、よくよく考えたら幼稚園ぶりだと気づいた。
みんなはどんな事するんだろ?
夜も遅いけど電話してみるかな?
この時間だとキッド君は寝てそうだし。
(彼はきっちりかっちりお祝いしそうだ)
クロナはこの手の話無理だし。
(あの母親じゃ仕方ない)
椿ちゃんも寝てるかな?
(ブラック★スター早寝っぽい)
そうなると、ソウルしかいなくなる。
「何したらいいかな?」
「俺に聞くのかよ。」
「いいじゃん。ソウル何してたの?」
「別になんにも。」
「なんにもはないでしょ?」
「どうでもいいだろ!!寝んぞ!!」
「私もう少し考えるね。」
考えなくてもいいけど、ほんの少し。
ほんのたまに。
ごく稀にだけど、父親っぽいことをするあの人に何かお礼したいなーなんて思った。
今回は特別だから。
「本当に今回だけだから。」
読みかけの本を開いて、文に目を走らせた。
「って、朝!?」
お約束で本を読んでいたら朝になっていた。
やばいなんにも用意してない。
どうしよう。
あのうざい顔で自分の名前を叫びながら走ってくる父親を想像する。
きっと何も用意していないって言ったら泣くんだろうな。
今までもそうだったし。
ため息をつきながらマカは父親の住むアパートに向かった。
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