□狂ってるなんて言わせない
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スピリットの目線の先には当たり前だけど女。


「懲りないわね〜。飽きないの?」

「飽きない。癒されるんだよ。なんで女の子ってマイナスイオン出せるんだろ。」

「ふ〜ん。夢見すぎ」

「いいじゃねぇかよ。」


彼はため息を吐きながら答えた。

シュタイン君には悪いけど、スピリットを譲る気はない。

彼はモノじゃないから譲るってのは間違ってるけど。

男のアイツにスピリットをとられたら私のプライドが崩れる。

私がずっと見てきた。

シュタイン君よりも遥かに多く。

自分以外の人が彼の隣を歩いている姿を。


「そういえばさ、傷の方はどうなったの?」

「増えてんだよ。それにさ、今度は腰までも痛くなってきたんだよ。」

「腰が痛くなってんの?」

「そう。俺、病気か何かかと思うんだけど。どう思う?」


腰痛なんてこの状況からしたら分かりきっている。

穢されているんだ。

私は本気で悩んでいる彼にそっと言った。

嫌われるのを覚悟で。


「それってさ、私原因解ったんだけど」

「何?何々?」

「………フランケン・シュタインの人体実験の傷痕だと思うんだけど。」







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