□狂ってるなんて言わせない
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教室に消えていく彼の腕を不本意ながら私は掴んだ。


「これでゆっくり話せるわよね?」

「放せ」

「放すわよ。私だってアンタみたいな奴に触れてるなんて御免だわ。」


私の大好きな彼のお気に入りの後輩。

もといい、彼の自慢のパートナーであるシュタインは殺意のオーラを放って私を睨み付けた。

他の子なら一目散に逃げ出すけど、私は慣れたしこんなので逃げるのは癪だ。


「やり合いたいんじゃないから殺気出すのやめてくれない?」

「俺はいつでもアンタの事殺したいと思ってんだけど。」

「スピリットがいないとまるで別人ね。」

「うるさい」

「何?スピリットって呼ぶのもダメなの?シュタイン君」

「アンタのその計算高い所には吐き気がするぐらい感服してるよ」


シュタインは最後にもう一度だけ私を睨んで教室に入った。

私も教室に向かう。

私よりもアイツの方が計算高い。

スピリットの体の傷なんでわざわざ私だけに気付かせるように付けている。

まるで、彼が自分のモノだと言っているみたいに。

それが余計に腹が立つ。


「今度は誰見てんの?スピリット」

「ん?」


クラスでボーっとしていたスピリットの横に座る。

こんなところでしか私は彼の隣に居れない。







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